画像は私の大好物の一つであるシチューです。
シチューってなんでこういい匂いなんでしょうかね。
作る段階からすごくおいしそうなにおいがする。
ジャガイモとタマネギ、そして人参を煮込んでいる時からのにおいが大好き。
ジャガイモとタマネギを煮ている段階って、肉じゃがでもカレーでも同じ段階なんですよね。
もともとその、ジャガイモとタマネギを煮たにおいが好きなんですね。
で、クリームシチューの素を入れ、火を止めた段階で私の「食」への意気込みは最高潮になるんです。
シチューはビーフシチューではだめ。
私にとってビーフシチューはあくまで牛肉をいただくための味付け。
「味がわからない男」と言われようが、ビーフシチュー、そのデミグラスソースの味は私にとってハヤシカレーと同じ。トマトベースの煮込みに過ぎない。
「デミグラスソースの奥深い味」と表現されても、私にとってはデミグラスソースはトマト味の煮込み。トマトの強い味で染まったもの。
で、私にとってはシチューとはやはりクリームシチューなのですね。
それにしてもジャガイモ、タマネギの煮たにおいは豊かなにおいですよ。
そういえば、昔、どこかの国のお話で「石のスープ」というものがありましてね。
あるところに旅人がいたんですって。
で、その旅人は確か、焚き火をしていたんです。
近くの住民が尋ねました。
「何をやっているのか」と。
で、旅人は答えた。
「料理を作ってます。」
料理と言っても焚き火をしているだけに見える。
そして旅人は懐から大事そうに丸い石を出したんです。
「これは魔法の石です。これを味わいます。」
住民は不思議そうに言いました。
「それが旨いのか。」と。
旅人「はい。」
で、旅人はその石を焚き火に入れました。
そして言いました。
「そうだ。お水をちょっとわけてくれませんか。」と。
で、水って入れ物が必要です。
旅人は続けました。
「あと、できればお鍋もお借りできませんか。」
住民は「魔法の石」というものに興味がありリクエストに答えました。
その後、旅人はさらに、言いました。
「そうですね。あと、野菜の切れ端2、3枚ありませんか。それと、できればお塩ひとつまみと。」
住民は更に興味しんしんです。リクエストに答えました。
旅人はそれらをすべて鍋に入れ、最後に言ったそうです。
「これに魔法の石で味付けします。」と。
で、焼けた魔法の石を鍋に入れました。
住民が驚くことに、鍋からは一瞬にしてすごくおいしそうなにおいが沸き立ち、すごくおいしそうなスープができたそうです。
旅人は、そこの住民と一緒に鍋の野菜が入ったアツアツのスープを食べ、住民もおいしさを実感し、そして旅人はお礼を言ってそこから去ったそうです…。
石のスープ。
具材が単に野菜の切れ端だけでも、煮ればおいしいにおいがするんです。
野菜を煮た匂いは豊かなにおい。
シチューを煮ていると、その時の石のスープのにおいがわかるような気がするんです。