「ボースさん」
職場の一階のキャッシュサービスコーナーから出たとき、声をかけられた。
振り向いたら彼女がいた。
以前から私のいろいろなことを気にかけてくれる彼女が。
「あらっ、ボスさん、ちょっと太ったんじゃないですか。」
「ん、あぁ、ちょ、ちょっとね。んー、ちょっとだけどね。」
「だめですよー。お昼何召し上がってますか。」
「んー、えーとね、シーフードヌードルのビッグとか、パンとコーヒーとか、」
「だめですよー。ちゃんとしたものを食べなければ。私が明日からお弁当を注文して、三階まで持っていきますから。」
「あ、いや、それはわるいよ。」
「だめです。私が持っていきます。いいんです。毎日、メール、もしくは電話しますから。」
「うーむ・・・」
そして今日、朝9時半に電話が来て、日替わり弁当を注文することになった。
お昼、一階に勤める彼女が、私のいる三階までお弁当を持ってきた。
ひさびさに食べるお米はおいしかったけど、なんだか余計に太りそうな気がした。
それにしても、私のことを心配してくれるのはうれしいけど、ここまで気にかけてもらうのはわるい気がする。
彼女は育休中、私の前の職場にお子さんと一緒に来てくれたりして、何か他人じゃない感じがしたりしていて。
彼女の言うことはむげに断れない感じになっている私。
二ヶ月前から米を食べないようにしていた私、なんかしらないけどいつの間にかお昼には米、ごはんを食べることになってしまった。
心配だ。