あれは1カ月半も前だったかなぁ。
私の地方も今冬は当初、雪がふらなくて、12月頭になっても雪がぜんぜん積もらなかったんですよ。
で、朝晩、私は通退勤が楽だった。
私の通勤経路には、広大な田んぼがありまして、でもそこは山の中ではなく、近くに中学校があったり、開けた大きなほ場整備された田んぼなんですよ。
で。
12月頭ころに、通勤経路の、坂を下って開けたところにあるその広大な田んぼに、椋鳥(むくどり)の大群が、巨大なうねりとなって黒々と、うごめいていたのです。
びっくりしましたね。
でも。
さらにびっくり驚愕したことに、そのむくどりの大群、むくどりじゃなかったんですよ。
近づくに従い、その巨大な大群、それがカラスなことに気づいたのです。
広大な田んぼの、その部分、地面には、カラスが万単位で歩いているし、上空にも、何万か計算できないんですが、ものすごく黒々と空一面にカラスが舞っていたんですよ。
私は驚きましたね。
そこの、1市3町どころか、もっと広範囲のカラスというカラスがすべて集まって、巨大な集会を開いているような。
こんなことって、私の人生で初めて見ましたよ。
で、ものすごくその後を知りたかった私でしたが、職場で大事な会議があり、そのカラスの大集会のその後を確かめることができなかったんですが。
でも不思議です。
あんなに莫大な数のカラス、どうやってそこに一堂に会したのか。
そもそもどのような伝達手段でその場に巨大に集まったのか。集まることができたのか。
チラシもない、電話もない、情報のネットもないと思われるカラスたちが。
そしてなんのために集まって、そこで何を話し合っていたのだろうか。
翌日にはそのカラスの大群はまったく、一羽もそこにはいませんでした。
それどころか、通勤途上でその日や翌日、カラスを見たのは市内でたった1羽ずつでした。留守番カラスだったのか。
カラスが大集会していた翌日には今季初のまとまった雪が降りました。
カラスの大群がいた場所も一面真っ白な雪。
あれら数万のカラスらは、翌日の降雪前に、来春にまた会いましょう、と互いに別れのことばやあいさつを交わしあっていたのではないのでしょうか。
その後、彼らはいったいどこに行ったのか。
いまでもしみじみ不思議に思っています。