私の別荘には、外部から自主的に無料で来てくれる警備員がいる。
黒づくめでしなやかで筋肉質な彼は頼もしい。
鋭い冷徹な目は、日常から金色に底光りしている。
ひっそりと、自然に気配を消して、頻繁に私の別荘を見回ってくれるから安心だ。
先ほど、ストレッチしたあと、体のあちこちを丹念に手入れしていた。
もっと正確に言えば、肩の後ろとか脛あたりを、丹念に、それは丹念に・・
舐めていた!
ちょっとコワい話だけど本当だ。
彼はひとたび何かあれば、信じられない話だが、オリンピックゴールドメダリストをはるかにしのぐスピードで行動し、時に相手の命まで断つ非情さも持ち合わせている。
今は、ひっそりと、ただひっそりと、いつ悪者が来てもいいように、そこにいてくれている。
敵に回したらかなり手ごわい存在だ。
彼が味方でよかった。