私は先般、無題、という記事を書き、つづく、といったん締めくくりました。
理由は、書いていて、途中で、「私の居住地、地域が特定されることになるのではないか?」と思い始めたからなのです。
でも、書かなければならないでしょう。
拍手欄で催促もされてしまいましたし。
いちおう拍手欄のコメントにお答えいたしますが、私は「つづく。」と書いてアクセス数を稼ぐとか、焦らすとか、そんな意味不明なことはいたしません。
アクセス数を稼ぐとか、何の意味があるのでしょう。閲覧されても金も入らない、何の得もないのに、そんなのにこだわるなんて何の意味があるのでしょう。私は記事、書きたいときに、書きたいことを、自分の都合に合わせて書いているだけなのです。
さて。
無題、の続きを書く前に、まずは読んでいただきたい、読んでいただかなくてはならない記事があるのです。
私が2015年3月28日にアップした記事です。
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「ボスさん、私、最近超忙しくて、仕事からの帰りが朝3時半とかなんですけど、車の中でその時間帯に聴いても神経がたかぶらないジャズとか、何かストーリー性のない音楽CD、貸していただけませんか。」
そう言われ、ビル・エヴァンス、ジョン・コルトレーン、シャカタク、ボサノヴァ、サティとか見繕って渡したら、彼女が選んだのはビル・エヴァンスとジョン・コルトレーンだった。
数日後。
「どうですか、相変わらず忙しいですか?」と尋ねたら、やっぱり忙しいという。
「ところで、ボスさん・・じつは」
何か神妙な顔をしている。
「先日、妙なことがあったんですよ。」
「ん、?何かな」
彼女が言うにはこういうことだった。
深夜、3時過ぎ、その日も彼女は超多忙で、疲れた頭と体で国道を運転していたという。
帰るためだ。
私の地方では、深夜3時すぎとなれば、国道でも交通量はまばら、ほとんど走っていないと言ってよい。
彼女、ふと気付くと、前を、幌をかけた大型のトラックが走っていたという。
彼女はその後ろを走り続けていた。
で。
ふと見ると、そのトラック、タイヤがなかったというのです。
よくよく見ても、道路とタイヤの色がとけこんでいたのかとも思ったけれど、あるべきところにやっぱりタイヤがない。
目を見開いて走って着いていったら、そのトラック、大河にかかる大橋にさしかかり、その橋の右カーブを曲がらずに、ずっと突っ切って行って、まっすぐ消えて行ったと言うんですよ。
「私、そのとき、ゾワーーーッと鳥肌が立ちましてね、もう意味がわからなかった。怖かったですよー」
彼女は言うのです。
その話を聞いたときは朝で、私は、「大丈夫?、いや大丈夫ですよ、でもそれは、不思議な出来事でしたね」と言いつつ、私はそうした話には興味があるのでさりげなく、そのときの状況をさらに詳しく聞いたりしたのですが。
トラックの色とか幌の具合とか、あの辺のどのあたりからトラックに気づいたのかとか、トラックには何が積んであったと推測されるか、とかどのように消えていったのかとか。
「とにかく、運転、気を付けてね。」
そう言って別れたのですが。
で。
私はその話、非常に興味深く思ったのですが、それもいつしか忘れてしまっていたのです。
先日。
私は職場を休み、ふとんの中でボーッと考えごとをしていたのですが。
考えは、私が血気盛んな今から20年ほど前に及んで。
当時は私も、明け方まで仕事をして、時に明け方に自宅から会社に向かったりしていて。
そうこう考えごとをしているうちに、なんと不思議なことに、私も当時、国道で、あの、彼女が見たと言うのとそっくりの、カーキ色の、くすんだ薄汚れた幌をかけた大型トラックが、私の車の前を走っていたのを思い出したのです。
しかもそのトラック、タイヤがなかったんですよ。浮いて走っていたのです。
そしてそのトラック、私が「なんでタイヤがないんだ、浮いているんだ?」とその理由をボーッと考え続けて走っているうち、いつしか消えていたんですよ!
ふとんの中でその当時の忘れていたことを思い出し、ぼうぜんとしていた私だったのでした。
ところで、そのトラック、いったい何を積んでいたのでしょうか。
じつはその後、私が血気盛んな当時、そのトラックを見て間もなくのこと。
そのトラックが、私の夢のなかに現れてきて。
私はそのトラックのバタバタする幌の中にいたのです。
ペッシャンコになった車の中に閉じ込められて、その私のペッシャンコの車の上にも下にもペッシャンコになった車が圧縮されたように積まれていて。
そのトラックの荷台には、交通事故で残骸になった車が多数ペッシャンコになって積まれていたんです。
幽霊トラック。
あのトラックの後をずっと着いていったら、その車は事故を起こし、いつしかそのトラックの荷台にペッシャンコにされて積まれていくことになるのに違いありません。