私が職員を採用するとしたら。
さりげなく、いろんなことをさせてみて、その中で、鍵となる仕事の仕上げの質やセンスでその人を評価するだろう。
例えば、乱雑にちらかった部屋を掃除させてみたい。
その中で、じつはちょっとホコリのついたテーブルの拭き方とか、モノのたたみ方とか、本の並べ方とかをいちばん見たりしたい。
テーブルの拭き方は、乱雑に円を描くように適当に仕上げる人は採用しない。
ホコリを縦とか横とか、一定方向に拭きながらまとめ、拭き取り、最後も縦か横か、一定方向に拭き上げて仕上げる人を採用したい。
テーブルを乱雑に円を描くように拭くと、テーブルが乾いて例えば光が当たったときに、乱雑なアトランダムな丸いぐちゃぐちゃの筋がみえるでしょう。
そうしたことに無頓着な人間は、私は採用しない。
あと、例えば、乱雑にちらかったレジ袋をまとめるとして、画像の上のようにまとめる人は、決して採用しない。
採用するとしたら、画像の下のようなたたみ方をする人。
百枚の紙を折ってもらう。
紙の端と端をぴったりと合わせて折らない人は採用しない。つまり、端と端がズレてしまう折り方をする人は、私は採用しない。
指紋とか脂のついた透き通ったプラスチックをきれいにしてもらう。
ティッシュペーパーでふつうに拭く人は、私は採用しない。
透き通ったプラスチックをティッシュペーパーでふつうに拭くと、じつは傷がつくのだ。
極めて微細ではあるが、ヘアスクラッチといわれる細かい傷がつくのだ。
だから、ティッシュペーパーで拭くにしても、水で濡らすとか、プラスチック面に蒸気を当てて湿度を与え、摩擦を和らげる必要がある。
蒸気を与え、優しくデリケートに拭くと、傷はつかないのだ。
そうした細かい機微というか、繊細なところを、人生経験でちゃんとわかって、当たり前にふつうにやってくれる、センスのある人を採用したい。
床に散らばった様々な本を、本棚に適当に並べてもらう。
私が期待するのは、本の縦の高さ。これが高い順にからちゃんと並ぶこと。本の高さがギザギザに、適当に並ばないこと。
一緒に食事に行ってみる。
食べ方はもちろんだが、食べたあとも見てみたい。
食べたあとのお皿を、乱雑に置いていないか。
回転寿司に行ってみる。
お寿司の皿、色別に重ねて置くかどうか。
お皿にごはん粒をつけていないか、お皿にエビの尻尾の殻を乗せて、その上にお皿を更に重ねていないか。
そんな重ね方をしていたら、その時点でアウトである。
こうした様々なセンスの有り無しを私は見たい。
一事が万事。
こうしたセンスのある人は、さまざまな部分にもセンスを発揮する。
いいセンスのある人を採用したい。
とは言っても。
以上述べたことは、私が小中学生時代に常識として認識し、実行していた、私にとってはやって当たり前のことです。
でも、当たり前のことが当たり前にやれていないということがあまりにも多いと思えてしまい、どうなんだろうかとここに書いてしまいました。