とうとう来てくれた子。



待っていた。


子どもの頃から。



ずーっと、待っていた。



食べたくて(はぁ?)





それは、たらの子。




たらの子の缶詰め。




私はこの子を待っていた。




幼少のころ、近所のお店に、たらの子の小さな缶詰めが売られていた。

確か「もみじこ」という名称で、ほにほか、ニッスイか、そうした水産加工会社が製造していたと思うけど、ほぐしたたらの子の煮付けがびっしり入った、70グラムくらいの缶詰めだった。


あれがおいしくて。


でも、鯨のベーコンみたいに世の中からなくなって。




コロナの影響で、閉塞した世の中で、楽しみといったら食べ物じゃないですか。


で、最近思いついて、昔から食べたかったたらの子の缶詰めを探して食べようと。思いっきり。



そうして来てくれた子、たらの子の缶詰め。

一缶170グラム入り、24缶。



当分、たらの子と付き合います。



あなたにもあげたい。