画像はボスの珈琲タイム。
記事とは関係ありません。


さて。
先日、お昼、売店に向かっているときに後ろから声をかけられたのです。
後輩(女性)に。

「ボスさん。お弁当、買われるんですか」と。

ボス「ん。そうですよ。」

後「ああ、よかった。実は今日、組合の会議がありまして、お弁当が出るんですが、私、それを忘れてお弁当持ってきてたんですよ。お弁当と言っても、スーパーのカツ丼弁当なんですけど、食べてくれませんか。」


ボス「…そ、そう。わるいね。」


一瞬、いやな予感がしたのですが、スーパーのカツ丼弁当と聞いてちょっとほっとしました。

私はじつは、素人さんの作ったお弁当を食べることができないのです。

小学校1年の頃からそうでした。
小学校1年の遠足の前の日に、私の母が職場の旅行で泊まりで、そのため母が近所のおばさん(親戚でない)に私の遠足のお弁当作りを頼んだのですが、私はそのおばさんの握ったおにぎりを食べることができなかったのです。
いや、遠足先で無理に一口食べて、でもはいてしまった。
他人の作ったお弁当、しかも、素手で握ったおにぎりなんて、とてもとても、いまだに食べるなんて無理なのです。


「いやな予感」というのは、以前、後輩はやはり組合の集まりでお弁当が出るから、と、自分の作ったお弁当を私に「食べて」とくれたのです。

それは、お昼直前に私のデスクに彼女が来て、回りの人がいる前でくれたもので、私は食べないわけにはいかず、苦渋に満ちながら、ドラえもん蒲鉾とウインナーを食べて、他は口を動かしながら食べるふりをしてあとはバレないようになんとかうまく処理をしました。

とにかく、私は素人さんの自家製の、どんな環境で、どう作っているのかわからないお弁当、食べ物は食べることができない人間なのです(これを読んでくださっているあなたの弁当を除きます(笑))。


で、今回はスーパーのカツ丼弁当と聞いて、ホッとしたのです。
スーパーだとおにぎり握るにしても大量の、炊き立てのご飯を冷まして、手にビニール手袋をして握るし、お弁当にしても衛生面で安心です。


で、売店前からデスクに戻り、カツ丼弁当をもらったのですが、そのカツ丼弁当、昨日の夕方のバーゲンセールで50%オフの225円、賞味期限が昨日の20時で切れているカツ丼弁当だったのです。

……

悩みましたね。
瞬時に食べなければならないだろうな、とは思いましたが。
ここで「Tさん、賞味期限切れだよーアッハハハ‥」なんて言えませんよ。それを言ったら相手に恥をかかせてしまうし、私の男としての器が疑われてしまう。

数日前に見た旅番組で美人のボランティア活動者がアフリカで現地人から出されたキャタピラ(イモムシ)の焼いたものをイヤな顔もせず食べていたのを思い出したりして。
相手から出されたものを食べるのが最良のコミュニケーションをとる方法なのはわかっているし。
据え膳食わぬは男の恥とも言うし。



食べましたよ。衣が白くなった、お肉自体がパサパサの、ご飯が柔らかくぬるい感じのカツ丼弁当を。
回りに部下らもいるし。

ご飯は半分残しました。

で、食べたあと、後輩に「Tさん、ごちそうさま。ありがとう(グッジョブ、ニコッ)」という感じでお礼を言いました。



皆さん。あなたは部下とか後輩からお弁当をもらい、それが賞味期限切れだったらどうしますか。
賞味期限切れ後15時間経過した夏場の弁当だったらどうなさいますか。

相手を傷つけず、やっぱり食べますか。

それとも、賞味期限切れのお弁当をくれた段階で相手はこちらを軽視しているととらえますか。

相手は賞味期限切れ15時間くらいは賞味期限内だと思っている人間かもしれません。


気持ちとか器はいい人なんです。
波長も合うし。


私はこれから、彼女からお昼ころ声をかけられるのがちょっとビクビクです。

「私のお弁当、食べてください」はめったにないことだけど、これからもやはりありうることだし、そのとき私はどうしたらいいのだろうか…。