今日、退院して、今、帰路の新幹線の中にいるのですが。


前の座席に乗り込んできた40すぎの人間の出す音が、うるさいのです。


1人なんですが、座席をまずいきなり思いっきり倒して、その後、隣の座席も思いっきり倒して、ときどきオランダせんべいだと思うのですが、口を閉じずにバリバリ音を出し食べながら、数紙のスポーツ新聞をいちいちバサバサバサバサクシャクシャクシャクシャ何の遠慮もなく音を立てながら見ているのですが、それがまた、すごく耳障りなのです。


まず最初。
座席を倒すときは、ゆっくりと、後部座席の方に「配慮してますよ」という感じでちょっと後ろを向く感じで座席を倒すのがふつうでしょう。
彼にはそれがまったくなかった。
思考の断片にすら、そうした「配慮」という文字は存在しない人間、そう言えるでしょう。


そしてせんべいバリバリ音。
口を閉じず、高らかに、何の配慮もなく理性のかけらもなく、本能の赴くままにせんべいをむさぼっている。
ビールをのみながら。


で、新聞だ。スポーツ新聞。
バサバサバリバリ、丁寧にめくった新聞の端と端が合うようにめくるなんて、彼の感覚にはまったくない。
めくってまくった新聞の端と端がてんでバラバラ。


いやーまいった。


こうして公の場で、わがままに何の配慮もなく、生活行為音を出しまくって、「自分は他人からどう思われているか、他人に迷惑をかけていないか」とかまったく考えも及ばないようなこのおっさん。

私には、親からの教育、注意、しつけもなく、本能のままに育ったおっさんに見えた。


ほんと腹立たしくてしょうがなかった私だった。


しかし。
注意はできないんですね。

ただあきらめというか、「私が彼の後頭部をジィーッと見つめたらレンズに当てた焦点が集まった太陽光線みたいに熱くなって気づいてくれればいいのに」とか思い願うのみ(笑)。



で。私は思い直しましたよ。

彼にまともさを求めるからいけないのだ、腹が立つのだ、彼はまともでない人間なのだ、と思えば腹が立たないだろう、と。


案の定、そう思ったら彼が哀れに思えてきたのです。



世の中、こうした当たり前のマナーをわきまえない人間は山ほど存在します。

そうした人間は気づかないと一生そのままの人間で行くでしょう。

これって、どうしたらいいもんでしょうか。注意するわけにも行かないし。


とにかく、まともでない感覚の人間はあちこちに存在し、彼らはそれがまともでない、と感じる機会はなかなかない、ということです。