奪ってしまった命がある。私さえ近付かなければ、死なずにすんだのに…。次の日、小さな命を2つ拾った。この命は奪った命の生まれ変わりか…。だから捨てられなかった。あの命の分まで小さな、でも少しずつ大きくなる命を守らなければいけない。この命に、私の病気は関係ないのだから。
あー、泣いたら少しスッキリした。やっぱり薬はもう離せないだろうか。
死にたい。でも、まだ濁った光に縋ってみようと思う。
どんなに希望をたててもすぐに不安に潰される。
心が…身体が…頭が自分の思うように機能しない。先へ進みたいのに進めない。上手く歩けてた毎日が送れない。上手く笑えない。生きたいのに、生きていたくない。あんな学校さえ行かなければ、母さんが母さんらしい事してくれてれば、私は上手く前を向いて歩けてた。母さんが会いにこなければ私は生きていたいと、自然に笑う事だってできた。母さんさえ来なければ…あんな女が来なければ…。
自慢したかったんでしょ?
私は幸せよって?
それは、私にじゃなくてあなたの母親に。あなたは自分の母親に私を押し付けて自分の幸せだけ考えて、今頃毯優にも幸せになってほしいだ?無理に決まってんじゃん。あんたに全部ぶち壊されたんだよ。あんたが来なけりゃ、すべて、すべて、すべて、すべて、上手くいってたんだ。私の未来も上手くいくはずだったのに、ハハッ…なんかだんだん家族が嫉ましくなってきた。父さんも母さんも憎らしくなってきちゃった。
ハハッ、私誰のせいでこうなっちゃったのよ。私?そう、ずっと私のせいだと思ってきた。ずっと、ずっと、ずっと、ずっと私がいけないからダメなんだ。じゃあ、私の何がダメなの?母さんの事も父さんの事もわかろうとしたさ。爺ちゃんも婆ちゃんの事もわかろうとしたさ。じゃあさ、あんたらは?あんたら、私の事、全然わかってないじゃん。さけてんじゃん。カウンセリングもさ、主治医にもさ嘘言ってんじゃないの?あんたら、外面だけはいいじゃん。ハハッ騙してんだろ?あいつら騙くらかしてんだろ?
もういいさ、やっぱ私はいない方がいいよ。私もう壊れそうだからもう殺していいよ、てか、自分で死ぬよ。
男の声に耳を傾けていくと、私の意識が消えていった。気づいたらアルバムや学生時代の通知表を見て、泣いていた…。あれは、私の流した涙なのだろうか…怒りの彼女が、また仲間が増えちゃったよと苦笑した。彼は、私と同じ歳、最初の怒りの彼女と同様口は悪い。けど、動物とか好きなんだって。私の部屋の同居人
に、優しく話かけてたって。私の事が知りたくて、アルバムとかを漁ったらしい。通知表を見て、私を同情してたって。解離性障害ってわかんないね。とにかく、私の頭にまた住人が増えた。私には危害は加えないって。でも、私が望めばわかんないって。