ネオンデーモン


主役は、マレフィセントでもお馴染みのエル・ファニング。

ずっと予告で見たときから気になっていたんです。
セリフが、すごく好みで。

「お母さんは、私をこう言った。ーー"危ない子"」

そのときのエル・ファニングの瞳が、ほんとうに危うげで魅力的で、すぐに好きになってしまいました。


見てみると、ネオンデーモンは、すごくセリフが少ない。
説明がないというか……主人公の背景とか、それに至る経緯の話はまったく出ない。

感じて、分からないで、放っておいて、でも気にして……そう囁かれているよう。


そして、映像がどれも綺麗なのです。
どこを写しても美しいのに、どこを見ても暗がりにいる。これがモデル業界なのかしら?

点滅する光、鼓動、リミックス
ドラッグ映像と呼ばれる通り、頭にちかちかと離れない。

みんな私に成りたがる。
削って、積めて、
いつか……私の劣化版でもいいからって。


可愛さだけを武器に出てきた田舎少女。
その可愛さは、どんどん溢れて止まらなくなる。


ネオンデーモンを見ていると、不思議と、本物が恐ろしくなってくる。
なにもなくて美しいなんて、絶望でしょう。