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わたしはまだ、おぼえてる


彼と初めて出会った日
初めて交わした会話

あの日、初めて彼を見たときのトキメキ

『ああ、この人だ』
そう思ったあのとき。

確かにあの頃、私はまだ幼かったけど、あの直感は間違っていなかった

彼ほど、心奪われる人はいない。

忘れられない、忘れたくもない
あの人だけが、私の青春だった

趣味嗜好


たまにやりたくなる
身長185くらいだったセフレと。

早いし、格別に上手いってわけではなかったけど、躊躇なく私の首を絞めるとことかあの高い身長で乗っかられるのとか、好きだった。

一緒に居て楽だし好きだったけど、こいつを恋人にはしたくねーな。と強く思った思い出。

懐かしいな。
絞められたい。

ま、不倫は大嫌いなので絶対会わないけど。

ちょっとしたこと。


夕方に外食して満腹になってしまい、帰宅後にちょっと眠ってしまった。

夜9時頃に小腹がすいた夫に、おにぎりを作った。

海苔を炙る様子を、夫はなぜかずっとしげしげと見ていた。

せっかくだからと思い、炙るとこうして色が変わるんだよーと光に透かして見せてみた

ふむふむ。と、結局炙り終わるまでずっと夫は台所に居た。

満足していただけたようで、なによりですよ。

毎日が幸せ、なのになんで


盆、夢を見た

彼が会いに来てくれる夢
『久しぶり』

ああ、迎えに来てくれた
でもどうしよう、わたし、結婚してる
一緒に行けない

そう思ったあたりで目が覚めた
隣では夫がぐっすり眠ってた
朝方、まだ4時かそこらの話。

未だにわたしは彼が好きなのだろうか
もう、顔も声もおぼろげなのに。

あれからもう十年以上

それでも、それでも、忘れられない忘れたくないのは、良い思い出に浸りたい、そんなズルい考えなのかもしれない

わたしの、唯一の青春
清々しい青空、どこかから聞こえる運動部の声、くっついて笑ってた狭いベッド

愛してた、愛してた、なんでとかどこがとかそんなんじゃなくて、理由なんてなく、ただただ彼という人を愛してた

遠い記憶、もう十数年も前

悲痛な声、忘れられない

ゆらゆら


いつまでも、ゆらゆら、ゆらゆら、落ち着けない

交際から結婚と順調に過ごして、夫は毎日私に起こされ私の作った朝食を食べ、行ってきますのキスをして出勤していく
日中、私は、週に2回ほどスーパーに買い物に出るとき以外は一人で外出はしない。洗濯は2日に1回程度。毎日の夕飯も、夫は品数を求めない人だから野菜多目のメイン、副菜をひとつふたつ、あとは汁物とご飯と。その程度。

仕事は、子どもが出来るまではなにかパートかアルバイトかしなくてはなぁと思っていたけど、いざ探すとなると怖くなってしまった。夫にそれを伝えると、無理はしなくていいよと言ってくれた。私は甘えることにした。
家計は基本的に夫が管理してて、私は毎月食費と雑費として数万円もらってる。余ったら、それは好きにしていいよ、と。

毎日満たされてる
大好きな夫に尽くして、夫から大切にしてもらって、怖い怖い外の世界から離れて生きていけてる。
狭い狭い自分の大切な世界だけで生きていけるこの環境。安定してて穏やかで守られてる世界。

きっとこの世界は、私が居なくても穏やかに過ぎて行く世界なんだろうなって気がして、やっぱりあの頃に死んでおけばよかったなぁって思う。若い頃は、まだ、死へ突き進む勢いがあった。沢山のお薬を飲んだり、沢山自分を傷付けたりすることを躊躇わなかった。でも私は生きてきた。いまはそんな大胆なことをする勢いを持てなくなってしまった。

毎日幸せで、辛いことなんてないのに。

でもなんでだろう、なにかが苦しい。なにが苦しいのかわからない。生きづらい。今さら1から10まで辛いことを掘り返される病院にも行きたくない。苦しい。なんで生まれてきたんだろう。自立すれば、大人になれば、結婚すれば、そんな沢山の分岐点に期待して頑張ってきたつもりだけど、どれを経験しても根底の重さが無くならない。疲れた。

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