Tagebuch von Blauer Baum


負ける気がしねぇ
2008/10/26 10:59

話題:下妻物語


実はかなりの回数を観てる。



最初に観たのはDVDでした。
観る前は正直、
「深キョンがベイビーとか…」
って思ってました。
似合わねぇだろって。

結論。
似合わない。けど良い!
下妻という田舎町で浮きまくってるロリータ娘っていう設定にはぴったりだと思います。
主人公・桃子は、ロリータじゃなかったとしても“浮いてる”子。
で、多分現実のロリータ娘の中に居たとしてもやっぱり“浮いてる”。
何故なら彼女は超個人主義。
友達は要らないし、自分のしたいようにしかしない。
冷徹ともいえるかもしれないそんな桃子がベイビーのフリフリなお洋服に身を包み田んぼ道を闊歩する様は妙にカッコ良い。

で、もうひとりの主人公・イチコ(いちご)。
レディースで、暑苦しくてうるさくて…という役柄を土屋アンナが演じる。
“浮いてる”桃子に対して、イチコは結構“普通”。
情に厚いし義理堅いし、まあレディースだしね。

ただ、この話には所謂“女子一般”、例えばすぐ「可哀相」とか云ったり「大丈夫だよ!」とか云ったりする本当に普通に居る大多数のマジョリティ女子が出てこない。し、マジョリティ男子も出てこない。
そこが良いのです。
桃子もイチコも、方向性は違えどアウトサイダー。
アウトサイダーやミスフィッツは、他人の価値観で無く自分の価値観で動いてる、と云えなくもないですからね。
勿論、現実には“他人の価値観で見てアウトサイダー”になりたくて“人と違うこと”をする人も居ますが…。
少なくともこの話ではそうじゃない。
桃子は自分が着たいからベイビーのお洋服を着るし、イチコは総長に憧れてレディースやってる。
その簡潔な意識が気持ち良い。

後半のストーリーはネタバレになるので省きますが、結果としてこの映画は「友達っていいよね!」って主張も「友達なんて要らないよ」って主張もしていない。
友達になるべくして二人は友達になるし、でもその後桃子が沢山友達を作るようになるかと云えば、多分ならない。

私にとっては、嫌な要素が凄く少ない映画です。ほぼ皆無かもしれない。
私にしてみれば、桃子こそ“清く正しいロリータ”(笑)
彼女のファッションへ対する意識は天晴です。
まあ、深キョンは色が白くないし胸も大きいから、ロリータがそんなに似合う訳ではありませんが…それでも原宿行くと「桃子は可愛いんだなきっと」と思いますよ(笑)
他者との差別化で着てるとか、服だけ買って着て、着こなせてるつもりになってるとか、そういう人が多い中、桃子のモノローグは心に響きます。

洋服が、この服はまだ早いぞ、とかこの服に似合うにはこんな努力をしなきゃ、とか語り掛けてくれると彼女は云います。

桃子がたまたまロリータが好きだっただけで、この話は何にでもいえる事ですよね。

こんな素敵なメッセージが込められた作品。
でも、多くのロリータ娘がこの映画を観たであろうに、このメッセージがほとんど伝わって無いところが悲しいですね…。

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