準決勝の壁

シャニマス二百八十四日目。

金色の元気いっぱいガールがAランクフェスアイドルになりました。
準決勝流行三位で負けました。三連続でこのパターンです。

ほわっとスマイルで準決勝。
準決勝ボーカル一位に勝ったところでiPadの充電が切れました。

一次創作小説「束の間」A

「ケトル、折角こんなに敵が倒れているんだからめぼしい武器とか奪っていいのよ?」

「しないよそんなこと!」

少年は血相を変えた。新鮮な反応だとサルファーは思い、普段自分達はどれだけ荒んだ環境に身を置いているのかと遠い目をしたくなった。

「冗談よ」

テロルは軽く笑い、歩き出す。慌ててケトルがついてくる。

「どこ行くんだよ? あいつらを追うんじゃないの?」

「そうしたいのは山々なんだけど、ちょっと整えたいの」

何か反論しようとするケトルを指先で制する。

「ケトル、あんたもよ! 何よその全身ズタボロっぷり! 最初は重体かと思ったわよ!!」

「うっ……!」

痛いところを突かれたのか、ケトルが呻く。

「ひとまず休憩しましょ。手当てしてあげるわ」

テロルの物言いは疲労のせいもあるだろうが、このケトルと言う少年の事情も訊いておきたいという理由の方が大きいだろう。彼だけがこの遺跡の中で異質だった。あまりにも普通なのだ。剣は使えるようだが、サルファーから見ても明らかに洗練されていない。近くの村人が面白半分で遺跡探検に来たようにも見える。

(――いや)

サルファーは自身の思考に異を唱える。

(それだとこの表情の説明がつかない)

ケトルは足を止めていた。両の拳を強く強く握り締め、歯を食い縛っている。無力感に打ちのめされ、それでも何かを諦めきれずにいる者の表情。

「休憩なんてしていたら間に合わなくなるかもしれないんだ」
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