奈良県内のコンビニエンスストア「サンクス」32店全店が、4月以降、ライバルの「ローソン」にくら替えする。

売り上げ減少により、経営するサンクス京阪奈(奈良市)が、サークルKサンクス(東京)との契約を打ち切るためで、コンビニチェーンの競争は、ますます激しくなりそうだ。

サンクス京阪奈は、大阪府八尾市の酒卸売り会社が中心になって1989年に設立した。県内では奈良市や橿原市、大和郡山市など17市町村で店舗を展開。東京商工リサーチ奈良支店によると、11年度には約71億円の売り上げがあった。

ただ、ここ2年は2001年に進出した最大手「セブン―イレブン」(東京)の出店ラッシュなどで低迷し、今年度は12年度の62億3000万円よりさらに大幅な減収になる見通しだったという。

サンクス京阪奈幹部は「急激な売り上げの減少が続いており、オリジナル商品が充実し、競争力の高い大手に転換して、経営を安定させたかった」とくら替えの理由を語る。奈良、大阪、京都、滋賀の4府県では90店あまりに上る。

サンクス関係者によると、サンクスの1日当たりの売り上げは1店舗約43万円。セブン―イレブンやローソンより10万〜20万円程度低い。このため、11年は富山県で77店、13年は鹿児島県で82店がローソンに変わるなど、各地で離脱が続いている。

サンクス京阪奈と本部会社との契約は今年10月末まで残っていたが、書き入れ時の夏を前に中途解約した。
橿原市や桜井市などの店は今月に入って順次、閉店し、4〜5月の開店を目指した改装が進んでいる。(以下略)
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