スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

『調理室にはきゃらめるさん』

”グゥ”と腹が鳴った、今日は特に腹が空く、誰も居ない廊下を走って帰路につこうとした時、”フワッ”と鼻腔を誘う甘い甘い香りがした。


立ち止まって辺りを見渡すと渡り廊下の窓が開いている。

窓の外からする匂いに”スンスン”と鼻を鳴らして外を見ると、古い裏校舎の同じ階の窓が開いている。

何となく直感でそこから、この美味しそうな匂いがしているのだと思った。


気付けば走り出した足は、一気に一階まで降りて外を抜ける扉を開け、裏校舎へと向かっていた。


「はぁ、確か、三階のこの辺りが」

匂いを辿るように薄暗い木造の廊下を歩く、”ギィギィ”と音を立てて辿り着いた使われてない教室。


扉の上に薄汚れた文字で『調理室』と書いてある。


隙間の開いている扉を覗くと、使われていない筈の調理室の中は綺麗で、近くに見える棚にも埃は積もっていない。


窓際の調理テーブルにエプロン姿の女がいた。

身長と大差ないような、長い長いふんわりと軽く束ねた茶色の髪が窓からそよぐ風に揺れている。

手元の鍋を丁寧にゆるりゆるりと回しながら、片目にかかる前髪を時々どかしながら”ふふ”っと幸せそうに口元が上がる。

嗅いだ事のある匂いに”くんくん”と隙間から鼻だけで確かめようとすると。

≫ガラッ≪とドアが勝手に開いた。

いきなりの事に固まっていると、混ぜる手を止めずにその女は顔だけをこっちを向け『いらっしゃいませ』とほほ笑んだ。

その柔らかい声と温かい笑顔に身体から力が抜けていくと”ふらふら”と調理室に足を踏み入れてしまった。

右足を木の床に下したーーー筈だった。


”ぐにゃり”と奇妙に柔らかい弾力のある感触。

「っ!!」

沈む右足を見て慌ててまだ廊下にあった左足で踏ん張ってみたが、無駄な抵抗に終わった。

”ドロリ”と地面が蕩けて右足を軸にして回りが”トロトロ”と沈み込んでいく、脱力も相まって体勢を保ってずにあっという間に左膝をつくと蟻地獄のようにもがけばもがく程に速度を増して飲み込まれてしまう。

パニックになりながら助けを求めて女に目を向けると、全く興味ないのか此方には目もくれず鍋からスプーンで一掬い、茶色く光るナニを口に運んで幸せそう口元を綻ばせていた。


その姿を見ながら俺は首まで沈んだーーー何て美味しそうなんだろう。と場違いにも喉を鳴らして、落ちて行く。






飲み込まれてブラックアウトした視界が突然”パッ”と明るくなり瞼を開けると自分の膝が視界に入る。
気付けば、座りながら左側の誰かにもたれていると。
一瞬、電車で居眠りしてしまったのかと慌てて身体を起こそうとしたが、疲弊しきった様な脱力感に上手く力が入らない。


ーーー今日は一体何なんだよ!


最近良い事が何にもない、今日も色んな事が上手く行かなくて、一人遅くにやっと帰ろうとした時だったのに。


ーーーコレが現実なら一体今度は何に巻き込まれたんだよ!


目まぐるしく変わる現状にやっと恐怖が追いついて”ぶわっ”と汗が出てきた。

『あれ?』

俺がもたれていた件の人は、噴き出した汗に気付くと柔らかいハンカチで額を拭ってくれる。

長い服の袖から除く細い可愛らしい指から腕を伝い、目線を上げて行くと、先ほどの調理室の女が『怖い夢でも見ましたか?』と心配そうに顔を覗き込むのと目があった。

「・・・っあ」

額を拭っていた手はハンカチを腰のポーチに戻すと、今度は戸惑う俺の頭を抱えるようにより小さな自分の体に引き寄せる。

背中で”ポンポン”と心音に寄り添うようにリズムを刻む心地良い温もりに目頭が”ジワッ”と熱く滲んだ。


『お疲れ様です、大丈夫ですよ、このままゆっくり休んでください』



幼子をあやす母のような優しい温もり、恐怖が嘘のように”スゥー”と引いていく、それに伴い緩やかな微睡みが溢れて零れそうだ。


目を閉じて心から力を抜いて自分より小さな女に身体を預けると頭上で”フフッ”と女の喉が震えた。


ーーーー甘い甘い匂いがする、何の匂いだっけ、さっきからずっとしている美味しそうなこの匂い。


脳裏に”トロリ”と光沢を放つ滴りが蕩けて記憶の口腔に広がった。


ーーーあぁ思い出した。



「キャラメルだ」呟いた言葉は音にならなかった。


抱きとめられた身体が”トロトロ”と溶け落ちていくから、甘い匂いを持つ滴りは先程の床と同じ色に染まる。


女の中で”人”の姿を無くしていく事がぼんやりと分かって居るのに、何故こんなにも心は穏やかなのだろうか?






女の手から滴り落ちる甘い甘い”キャラメル”がソファーと床に広がっている。

ソファーに残るのは”コロリ”と浸っている二つの眼球で、暖かなほほ笑みを浮かべる女を見ている。

床に落ちた心臓はまだ”トクトク”と音を立てて震えている。

『さてと』女は膝の上にあった脳味噌を丁寧に持ち上げると、何処からともなく取り出した透明な瓶の中へと丁寧に入れた。

次々に残された臓器を瓶に入れながら、時々手についたキャラメルを”ペロリ”と味わう。

最後にその光景をじっと静かに見つめていた二つの眼球を入れると、その目を大切そうに見つめながら優しい声で『おやすみなさい』と瓶事優しいく抱きしめた。







end?






余談『ループのんさこっさ』




「って事があってだな」


「えっ?、その骨折の理由?」


フタリだけの教室、右足にギブスをして松葉杖を机の上に置いて笑うソイツ。


「そう、案外折れてなくて良かったわ」

「え?そーゆー問題?」

乱雑に入ったバッグからタオルを取り出して何時ものように首にかけるソイツの首元にはまだミミズ腫れが残っている。

「手加減してくれたのかもなぁ、いやぁあの噛んだの悪い事したなって思うもんな、でもな!でも、可愛かったんだよなぁあの柔らかそうなほっぺたを、膨らましてるの!!」


興奮気味に前のめりに教卓に座るワタシを見上げる、鼻の穴が開いてまぁブサイクだ。

「さっこさんてあれだろ?好きな紅茶持っててお願い事すると英語力が上がるって噂の」

誰に聞いたのかはもう忘れたけど、テスト前とかに良く聴く話しだ。

「そう!!だからな!多分さっこさん英語で話してくれてたんだと思うんだよ!しかも俺紅茶持ってなかった!これは完全に俺が悪い!」

頭を抱えて悔やんでいる姿が本当馬鹿らしい。

「タコがプールに居るのも凄いけど、紅茶のプールね、よっぽど好きなんだな」


そう言えば、この前の授業の時に科学の先生が言ってたな、塩素の濃度は水道とそれほど変わらないけど、人間が入ってアンモニアと反応して化学反応であんな臭いになるんだと、人間の汚れだなと笑ってたな。


ーーん、じゃあさっこさんが入るとなんらかの、作用で紅茶になるって事?


”バンッ”と音が響いた。

「決めた!俺!駅前留学する!!んで!さっこさんとお話する!!」

明後日の方向に思考を飛ばしていたら、突然机を叩き何を言うかと思えば、、の発言に一瞬止まったが直ぐにワタシは溜め息を吐き出した。

「この前、マΟクの用紙の空いてる英語埋める問題で、チキンの二文字目に『i』入れた奴が良く言うよ」

凄いドヤ顔で答えてたよなコイツ。

「うっ、、ほら、苦手だからローマ字読みしちゃうって言うかぁ」

「三文字目にiあるのに?」

「ちーーーきん、みたいな?」


ーーあ、こいつ絶対覚える気ないわ。


「そんなんでいつまでたっても逢いにはいけないな、」と呟き呆れて見下ろしてると、ぐぬぬぬっと戦慄いて。

「逢いに行くんだ!お話出来ればもっと良く見れる筈だから!色々起こって良く見れなかったけど、さっこさん上は水着一枚なんだぜ!?下半身タコだとしてもドキドキするだろ?!あとな、後々思ったけど、大きなタコ足に絡みつかれるなんて本当まさに、かつしかっガッッ!」


途中でギブスを”ソレ”で叩く。

「いでぇっ!えっ何で叩いた?ギブスしてんのにいってぇぇ!」

右膝を抱えてギブス越しにさする両手にくっきりと均一に丸い鬱血痕が並んでいる。



ーーこいつは本当馬鹿だわぁ


ワタシはその痕を数えて溜め息を吐いた。



ちゃんちゃん


2018.7/29

『さっこさんのプール』

深夜0時過ぎ、プールから”バシャバシャ”と水音がするのに気付く。

地表より高いプールの地面、そこから伸びる柵に、手を掛けて中を見ようとゆっくりと近付くと違和感に気付いた。

鼻をつく特有のあのニオイではなく、ふんわりと嗅いだ事のあるような馨しい空気が満ちていると。

疑問符を浮かべつつ中の水音に目を凝らす。

緩やかに流れる雲にぼんやりした月明かりが、プールにシルエットを浮かび上がらせる。

此方に背を向け長い髪の女の後ろ姿。
どうやら下半身はプールに入ってるのか肘を縁に掛けているのが分かる。


後ろ姿なのに思わずうっとりと魅入ってしまう、長くふんわりとした髪をスルスルと弄って一つに束ねるようにして前へと流した、背中のマーメイドラインがよく見えて最早、目が離せない。
”ふわっ”と前へと流した髪を元に戻す仕草と舞う、艶やかな髪。キラリと髪飾りが目に反射した。

”ゴクリ”と飲み込んだ空気が美味しいと云うのはおかしいかもしれないが、喉に抜ける馨しさに、身体の強張りが緩んで行く。

リラックスに似た感覚に力の少し抜けた身体が前にバランスを崩し上半身が柵に密着して"ギュとしなる。

微かな音に気付いた女がゆるりと振り向いた。
タイミングを見計らったように雲が流れ、月光が女を照らし、その背後で"うねるナニカ"が勢い良く頭上から柵を容易く越し、反応出来ない自分を絡める。

地面から両の足が離れ、感じた事のない浮遊感と引っ張られる衝撃。

あっという間にプールの上へと連れ込まれた。
”ナニカ”に捕らわれた状態で無防備に浮いた身体、驚愕してる間もなく見下ろす形で女と目があった。

突然の出来事で真っ白になった頭。

そんな自分を緩やかに微笑み見上げる女の目。

それはとても特徴的で、パッチリとした眼の瞳孔は丸くはなく、長方形のように横に広がる。
光彩は月明かりと水面を吸収したように色を変え。

凄艶な笑みをたたえて女が"うねる”


「ぁっ、」

全身に絡みつく吸い付くような強い拘束。

”ギチギチ”と肉が捻られて締め付けが上がる、骨が軋む音が全身からしている、肺から空気が押し出されて気道が上手く酸素を運ばない。

『〜〜〜〜〜』


自分を締め付ける女は歌うように美しい旋律を紡いでいるが、何を言って居るのか理解が出来ない。

酸素が足りなくて鼓膜が”ボォー”と音を発してるからかもしれない。

”ハクハク”と無様に酸素を求め始めた口、すると絡みつくソレが少し緩んでゆっくりとプールへと誘われた。

「はっ、、、はぁ」

少し呼吸が出来てクラクラしながら今度は自分を覗き込む女を見やる。

頬に”ニュルリ”と何かが這うのを横目で見て驚愕し納得する。

これは”タコ”だ、赤茶色っぽいような説明出来ない色だが子供の頃、海水浴で岩場をスルリと泳ぎ過ぎて行った記憶が瞬く。
縦横無尽に動く均一に並んだ吸盤が身体に密着して捕らえられているのだとようやく理解した。

やっと追いついた恐怖に荒く呼吸をしている脳裏で現実逃避したい思考が冷静に一つの謎に気付く。


ーーー辺りに充満する馨しい香りは”紅茶”だ。



その思考も、直ぐに現実に引き戻される。
大きな吸盤が顔を這い回りだして、何か確かめるているようだった。
唇の辺りを一番細い先が滑るのを感じて衝動的にありったけの力で噛み付いた。

『っ〜!!!』

思ったより柔らかな弾力と口に収まらない太さに顎がすぐに疲れて、離してしまうと口から逃れた足先を見て”ぷくっ”と方頬を膨らまして眉を顰めた。

「うぇっ、、」

口に残った別のぬめり、噛んだ足先を目の前で”フリフリ”して怒っているような仕草と、なけなしの抵抗で噛んだそこは少しだけ傷付いたようで、小さな傷口からトロリと滴る一歩手前の”青い血”に固まる。


色を変える足が朱に染まり相反する青と真っ直ぐに捕らえる細められた目。


『〜〜〜〜!!!』

ぷくっとした表情で何かを紡ぐと一気に先ほどとは比べモノに成らない圧力が全身を締め上げると≫ゴキリ≪と首元で音が破裂した。





白目を向いたソレは口から垂れ流した唾液に混じった青が一滴、薄く赤茶色に薫るプールに音もなく混じった。

女は興味なさげにソレをポイっとプール脇に投げて傷口を”チロチロ”と舐めて、紅茶のプールへと潜って楽しげに泳ぎ出した。


脇のソレは小さな痙攣を暫ししていたが、月が黒い雲に飲み込まれる時には、静かになっていた。




end?


(2018.7/29)

余談『んさムルドアの室服被』




「って事があったんだよ」

誰もいなくなった蒸し暑い教室で額を拭いながらソイツが笑う。

「え?お前がこの前の肝試しで勝手に忍び込んで、用務員さんに見つかって救急車騒ぎの当事者?」

教卓に腰掛け、一番前の席に座る見下ろしながら自分で言うのも何だが、細い眼を限界まで見開いた。

「そー!救急車初めてだったのに記憶ねーわ、怒られるわ」

カラカラと笑うソイツは首に巻いたタオルで次々に溢れる汗を雑に拭き取る。


「怖くねーの?」

あまりにあっけらかんと話す当事者に眉を顰めると、ソイツは気持ち悪く”ニカリ”と笑った。

反射的に、『きもっ』と出た言葉を綺麗にスルーしながらキラキラとした眼で言い切った。

「死んだと思ったけど、アドルムさん見てる分にはかなり眼福でしたわ!!」


ーーあぁコイツぁダメだわぁ、変態ですわぁ


思わず天井を仰いだ。

目だけをソイツに戻すとまざまざと見せつけられる現実。

タオルに隠れて見えにくくなっているが、熱さで真っ赤になった首の真ん中にクッキリとミミズ腫れた痕は、ワタシからは見えていた。



ちゃんちゃん。


2018.7/25

『被服室のアドルムさん』




裏校舎の被服室、ふわりふわりと影が踊る。

古い木造の校舎の陰気さとは裏腹に中からは明るいと錯覚しそうな空気を感じる、飽くまでもそう思うだけの感覚である事は見に見えて解っているのに脳と視覚の情報が一致しない。

異常な状態も認識しながら吸い寄せられるように、そっと古い扉、曇って汚れた小窓から中を覗くと、角は殆ど写らない水銀の剥がれたくすんでしまった大きな姿見の前に女の後ろ姿が見える。
ふわりと女が微笑んでいるのが辛うじて見える。
その笑みに吸い寄せられるように、埃や汚れでくすんだ見えにくい硝子窓にギリギリまで顔を近づけて息を飲むーーーそれは恐怖ではなく感歎とした声を出さぬようにとの無意識の自衛。

白い肌は差し込む光に零れてしまいそうな滑らかさを魅せている。
鎖骨の陰影に唾を飲んだ、惜しげもなく晒した白い肢体、足を滑るスカートがあどけなさの残る少女のような軽やかさで、ふわりと足に絡む。

白い肌に黒いガーターリングが見え、さらに食い入るように目を凝らす。

この場所でのそぐわない光景に頭の奥底では警笛が鳴っている。

ーーーーもっともっとみたい!!


力を込めた手は古い扉を意図もたやすく押し倒した。

腐っていたのだろう、粉々に四散した残骸と舞い上がる埃に、目を瞑り深く咳き込む。

一頻り落ち着いて”はっ”と気付いた。

前のめりに一歩入ってしまった体制から姿見の女を探す。

その姿はどこにも居なくなっていた。

それを確認すると、無意識に気を張っていたらしい身体が”ふっ”力を抜きかけた時。

『どうしたの?』

背後で声がした。

「!?」

振り向く前に”トン”と背中を押されて、更に中へと身体が数歩入る。

今になって震えだした足、後ろには気配、カラカラになった喉で唾を呑み込めば引きつった痛みを伴った。

夢ではないと覚悟を決めて、ゆっくりと振り向けば、そこに居たのはさっきの女ではなかった、、

黒いYシャツ姿で、髪の毛も短く首元を晒している。
白い白衣ボロボロでカラフルな飛びちった模様を作っている。

片目がねをくいっと直すと。

『なにしてるの?』

と少年はあどけない笑顔で此方を見ている。

その笑顔に魅入り、よくよくと顔を近づけると、目の中の”歯車がカタリ”と音を出したような気がした。
その瞬間、先程の女を思わせる”ナニカ”を感じて、痛い喉でまた唾を呑み、ゆるりと鎖骨に目をやる。

白い肌、黒いチョーカーが細い首を強調していた。

目が反らせない、ただじっとみていると。

『したいの?』と顔を、覗き込まれる。

ーーーーあぁ、”歯車”が回る、、


思考を一緒に巻き込んで逝くような不安定な自分が目の歯車ですり潰されていくような気がした。


「、っ、でも首太いかっっ!!」

カラカラの喉で絞り出した声が、一気に止められた。

しなやかに揺れた手が見え他と思えば、凄まじい衝撃と首に”ギュッ”と圧が架かる。


「がっ!!!」

パクパクと酸素を求めて口を開いても上手く呼吸ができない。

『大丈夫?大丈夫♪締めちゃえばいいんだよ』

涙の膜と酸素不足による視界を遮り、眼球が飛び出していくような燃えるような熱。
鼓膜では心臓が破裂するように鳴っている。
それなのに声は鮮やかに聞こえて、跳ねるように楽しんでいる。


その細い身体のどこに力があるのか、抵抗する前に既に《全て持ってかれた四肢》から最後の力も溶けるようになくなるのを感じた。



感覚なく床に落ちたソレを、楽しそうに見ながらふわりと回る白衣が踊る、鏡には先程の女が同じようにふわりとスカートを翻している。


『ほら君にお似合いの首輪でしょ♪』

ふわりと踊ると、ソレの紫色の唇から赤い泡がそわりと舞った。





end,?

(2018.7/25)






prev next