2014/4/22 Tue 20:31
空、地平線1

話題:自作小説

軍モノ番外。
ちょっと分割
(なんだか腐臭がする…) 



********

あの日の夕陽も、綺麗だった。
でも今はどこかあの時と違う。
こんなに……くすんでいたっけ。

『OWL2、着陸チェックを実施せよ。着陸を許可する。』

「了解」

雲間から基地が見えてきた。
荒野が沈む陽に照らされて紅い。
高度を下げると同時に緊張が走る。
この機体に乗っている限り、死神は僕から離れない。

これからしばらくは米軍と共同作戦だ。
そしてあの誓いからの再会、心が踊るよ。

『そーいやぁ、あちらさんにお前のいとこがいるんだっけ?ハル』

「ああ、うん」

陽気な声が無線越しに詰め寄ってくる。

『女か?女なのか?』

やだなぁ、アーヴィング。
いつでもどこでも女の子を期待しちゃうなんて。
僕が男だと伝えると、彼はとてもガッカリした。

『アーヴィング、この女好きが。お前のくだらない戯言でハルが着陸に失敗したらどうするんだ』

先に着陸しているハンニバル大尉が通信に入ってきた。

『だってよ、大尉。やっぱこういうむさ苦しい男の集団の中に一輪の花があれば仕事もはかどるだろ?』

『ほう、じゃあお前は女だったらなんでもいいってことだな?』

『いや、そりゃあ……出来れば可愛い娘がいいけど。もうここまで来たら贅沢はいわねぇ!!とりあえず女なら今の俺は誰でも愛せる!!』

『……お前を懲罰部隊に配属するように言ってやろうか?』

『ちょーしに乗りましたー』

「大尉、アーヴィング。僕もう着陸してもいいかな?」

『ああ、すまん』

そんなことを話しているうちに着陸にも成功して、僕は魔の境地から解放された。
Gに締め付けられていた身体が軽くなる。
続いてアーヴィング、ジュリー、ポーキーと続いてOWL部隊が全員何事もなく着陸した。




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