南米  未だ未開の地が残るジャングル

私、ティ・チャラは父の旧き友人が住んでいたこの地にやって来た。
森の守護者の手助けをして欲しいと頼まれたのだ。

「本当に奥地だな」
「オレ二取ッテハ普通。アイツ以外」

守護者である[アマゾン]と合流した私は彼の言う[アイツ]の退治に向かった。
[アイツ]とは獅子の頭を持つ人間...獣人と呼ばれる存在らしい。
かつてアマゾンは獣人達と戦い続け全て滅ぼしたはずだった...。だが生き残り?がいたようだ。

その獣人がテリトリーにしているエリアへと到達すると...妙な光景が広がっていた。
赤い羽根の様なフリンジが着いたコスチュームを着た女達がヒラヒラと動き回っていた。

「なんだ、あれは?」
「ジューシャ。弱イ。ケド多クテ邪魔」
アマゾンによれば獣人の手下で大して強くはないが、数を頼りに襲ってくるという。
だが...
「...フフッ」
「?...ナンデ笑ウ、黒豹?」
「いや、あのヒラヒラ舞っている姿がまるでフラミンゴみたいだと思ってな」
「フラミンゴ...ブフッ!!」
二人して吹き出した。流石に声を出しはしないが、口を押さえて笑う。緊張感が薄れるが、我ながら面白い例えだと思った。
「...ハハハ...黒豹...ハァ...ジューシャヲフラミンゴッテ言ッタノ、オ前ガ初メテダ」
「いやスマン...はは」
一頻り笑うと再びジューシャの方を監視する。暫くするとその内の一人が何やら此方を指差した。
「バレたか!?」
「違ウ...ッ!?避ケロ黒豹!!」
そう言うとアマゾンは私を突き飛ばした!

グガオオオオオゥッ!!!

凄まじい咆哮が頭上から降ってきた!

あと一瞬アマゾンが突き飛ばしてくれたタイミングが遅ければ一溜まりもなかったろう。さっきまで二人がいた場所には


「そいつ」がいた。しかし...それは獣人と呼ぶには少しばかり違和感があった。...獣に似た鎧...の様なモノを着込んでいるようにみえたのだ