Maniacer's Spiral (R)

　腕をすっぽりと覆い隠す真っ黒な手袋から出てきたのは、とても眩しい白い素肌。日焼けを嫌うその人は、本来なら日が沈むまで外に出たくないとまで言い放つ。だけど、授業には出なくてはいけない。
　UVアームカバーを買ってきたんだ、と菜月先輩は淡々と語る。次に外に出るのは日の落ちた７時過ぎ。サークル室に入ってしまえば必要のなくなるそれはカバンにしまって。

「紫外線対策ですか。すでにUV対策用のカーディガンを羽織っていらっしゃいますが」
「焼けたくないじゃないか」
「この時期は学内で年中長袖の俺のことを言えなくなりますね、菜月先輩」
「お前のそれとは全然違うだろ」
「冷房対策の長袖も紫外線対策の長袖も、大差はありません」