「お湯沸きましたよー」
「川北ァー、そのまま私のコーヒーも淹れてくれー」
「はーい。冴さんはどうしますかー?」
繁忙期の情報センターでは、やっぱりいつもよりも沸かすお湯の量も増える。今いる人数分と、自習室内にいる人の分を。休憩しに来てすぐ飲み物を淹れられるようにしておくのだ。
誰が何を飲むかも大体決まっていて、みんな自分で勝手にいろいろ持ち込んでいる。春山さんならコーヒーだし林原さんはミルクティー。俺はほうじ茶だけど、不定なのが冴さん。
冴さんはいつも誰かから何かをもらっている。さすがに林原さんのミルクティーはたまにしか飲まない(それでもたまに飲めるのがすごい)けど、春山さんや俺の物をよく一緒に飲んでいる、そんな感じ。