「おっ」
「高崎先輩、こんにちは」
直と付き合うことになった時点で想定はしてたし、いずれこんな日が来るだろうとは思って手は打っておいたけど、それでも早すぎだろ! 野坂、お前のヤツ借りるぞ。……ナ、ナンダッテー!?
「よう、直。Lと付き合い始めたんだってな」
「知ってたんですか?」
「そういうことになったとは挨拶もらったからよ」
「そうだったんですか。改めて、よろしくお願いします」
「おう」
「これが……それか……」
「マジであるんだな、こんなの」
表の書かれた白い紙に貼られているのはライトグリーンの付箋。それに視線を落とし、緑大に伝わる伝承は本当だったのかと息を呑む。俺はもうそれをもらうこともないが、事の重大さはわかる。