「ともちゃーん! ともちん!」
「ああ、千尋。おはよう」
「ともちんクマ落としたよ、はい」
「あー、ありがとー! いつ落ちたんだろ」
「今だよ今」
千尋が拾ってくれなかったら、車の鍵につけてるクマを落としたことに全然気付かないままスルーしてるところだった。もしこれで無くしたことに気付くのが帰りだったら……うわあ、大変だ。
後ろから追い付いてきた千尋と一緒にサークル室に入れば、まだ誰も来ていない。そりゃそうだ。部屋の鍵は俺が借りてきたんだから。席について、手元に置くのはクマと車の鍵。
まあ、誕生日だしやっとかんと
どうもこんばんは、エコです。
リン様誕です。
先週の星ヶ丘祭でも2本更新の日があったので、リン様誕もね!
とは言え星ヶ丘祭の2本更新は星ヶ丘以外の話だったのでリン様マジリン様
リン美奈も情報センターも補充できたしうまーよ実に
これで心置きなく7月に入れるし心置きなく放送のお話もやれるよ明日
6月は誕生日ラッシュだったけど7月8月は落ち着くからね。
イシカー兄さんとリン様が買い物のお付き合いについてぐったりしながら話してればいいんだ
「誰か、まだいるか?」
時刻は午後6時過ぎ。利用者がいるかどうか少し怪しい時間帯の情報センターに顔を出す。事務所では、春山さんが暇そうに本を読んでいる。やはり人は少ないらしい。
「何だ、リンか。お前今日シフト入ってないのにどうした」
「少し遠出をしたので軽く摘む物を買ってきただけで、大した用では。アンタだけですか、春山さん」
「いや、川北がB番で自習室にいる。どーせ人なんかもう来ないだろ、呼んでくるか? 小腹も空く時間帯だ、お茶にしよう。リン、お湯を沸かしてくれ」
「……まだ、寝てる…?」
そろりと助手席のドアを閉め、緩く倒した運転席に目を落とす。眼鏡をかけたまま、リンが仮眠している。私は、サービスエリアをぐるりと回って、戻ったところ。
成り行きで、リンとドライブをすることになった。こういうとき、学生のノリと勢いというものを実感する。エリアを越え、今いるのは西の観光名所である西京エリア。
ドライブをすることにしたまではよかったけれど、行き先を少し悩んでいた。行くべき場所を決めたのは、偶然カーステレオから流れたマイフェイバリットシングス。そうだ、西京行こう。
「みーなーもー」
「は〜あ〜い〜」
ぴぽんぴぽんとインターホンを短めに2つ鳴らせば、顔見知りがきましたよという合図。うちの部屋から徒歩10秒、2部屋隣のそこがみなもの部屋。
うちは休日モードのジャージにメガネ、みなもは一応外に出られる程度の簡単なカッコ。これから始まるのは他でもない、お互いのジャンル別トーク。
「相変わらず足の踏み場がないなあ!」
「みやっちには言われたくナぁーイ」
「うちの部屋はキレイですー」
「昨日カズさん来てたもんねえ」