「たーかーさーきー」
「おう、長野――って何だお前! 寄るな!」
「酷いなあ、か弱い長野さんに対して」
「てめェのどこがか弱いんだ、そんな図太い精神しやがって」
単位互換制度を利用して緑ヶ丘の授業を受けるようになってしばらく。その曜日はどういう成り行きか、高崎と一緒にご飯を食べたり学内を案内してもらったりすることになっている。
仮説があるなら実証してみたいよね。高崎はオカルト的な物が苦手なんじゃないかって。占いの館で使う衣装のローブを着て声をかけると案の定。深く被っていたフードを脱いでみると、高崎の顔には俺に対する憎悪が見て取れる。