「俺、高崎の本気が時々怖い」
「あ? 人の部屋に上がってんだから文句言うなつべこべ言わずに手伝え」
「えー!?」
最近拳悟からやたら連絡が入ってきてたけど、いつものように無視をしていた。だけど、ふと思い出した冬支度には車があると助かる。そう思い立って拳悟に連絡を入れると犬みてえに尻尾振って来やがった。
「あれっ、山口クン!」
「ホントだ、アニだ!」
「あー、ヒビキちゃんに大石クン! 久し振り〜! えっ、2人揃ってど〜したの?」
「さっきそこで大石クンとバッタリ会って、一緒に買い物してたトコ!」
急いでる訳でもないし、カフェに行くつもりだったんだーとヒビキちゃんが話を進めていく。気が付けば俺もその流れに飲み込まれ、一緒にお茶する雰囲気に。俺も急いでないし、いいんだけど。
大石クンの手には大きな紙袋がいくつも提げられている。大石クンは優しいから、きっとヒビキちゃんの荷物を持ってあげてるのかもしれない。いいね、ジェントルマンってヤツでしょ。