「えー、定例会3年生の皆さんに、お知らせがあります」
ファンタジックフェスタ真っ最中、議長の圭斗から唐突に集められた定例会の3年生。こんな風に全員を集めるからには何か重大な連絡じゃないかとみんな身構える。圭斗がこうして改まって話を始めるときはいい予感があまりしない。
今のところファンフェスはもじゃの欠席というのを除いてトラブルは起きていない。そのトラブルで大きな影響があったのは、もじゃと同じ班のカオル。ずっとそわそわしてたけどさっきやっと連絡がついて、不可抗力だと納得した様子。
あっ、あと野坂が番組に間に合うかちょっと怪しかったけど、ギリセーフだった。でも、この件に関しては圭斗が爆発しかけてたな。
星港市内中心地にある広場では、テントがいくつも並んで祭りの様相。広場の端と端にステージは2カ所。ファンタジックフェスタというイベント。このイベントに来たのはいろいろな興味が重なった結果だ。
「お、いるいる。おーい、水鈴」
「あーッ! 雄平! それに裕貴も! どーしたの!?」
「冷やかしだ」
「ロイ〜、元気だった〜?」
「ああ。チャリンコでコケて打撲以外は元気だった。ミッツ、そっちはどうだ」
「俺もね、元気元気」
距離感は、ゼロ距離と言うのが適してる。ぴったりとくっついて、両の肩に置かれた手はもみもみと忙しなく動く。それを遠巻きに見ているアタシと洋平は言葉を奪われていた。あまりの恐怖に声を発することが出来なくなっていたのだ。