午後2時、少し遅めの昼食。うどんに薬味を大量に入れながら、軽く咳をひとつ。
伊東はいつもとは違うタイプの風邪を患って珍しく寝込んでいた。少し寝たらちょっとは楽になって、万全ではないものの今では普通にバイトも出来るまでに回復したようだ。
「薬味増し最高」
「よかったな」
通い始めて3年目になるのに最近知ったばかりの薬味増しサービスの恩恵を受けながら、いつもよりもさらに多い気持ち増し増しくらいの葱が乗ったかき揚げうどん。
風邪にはネギがいいのは常識だ、などと言いながらシャキシャキと葱を食べ進めている。いつになったらうどんに辿り着けるのかはわからない。