巷では就職活動がウンタラなどと言っているけど、そんなモンは解禁前に終わってる連中すらいるし、結局のところ騙し合い。
それでも一応その中に身を投じた大学4年生としては、それらしく活動に向けた体勢を整えておいた方がいいんだろう。というワケでやって来た星港の中心街。
いい加減に暑い。すっかり夏だ。梅雨に入るか入らないかくらいのこの時期は、日差しが貴重だとはわかっていても恨めしい。救いは、お目当ての店が目の前なこと。
「涼ー! 久し振りじゃんねー!」
「ダイさん仕事中じゃないんですか」
「いーのいーの、ちょっとくらいなら」