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【SSS】いつか、時間が緩やかに

「はー、さすがに少し緊張した」
「あたしも緊張しました」
「でも、追い返されたりしなくてよかった」
「宏樹さん、うたちゃんがごめんなさい」
「いいよ、大好きなお姉ちゃんがどこの馬の骨ともしれない男に取られちゃったんだし、警戒されたり威嚇されたり、品定めされるのはしょうがないでしょ」

 今日は、あたしの家に宏樹さんが挨拶に来た。宏樹さんと付き合うことになると、こういう機会を設けようという話になって。公認になれるかはともかく、顔を見せておいた方が親御さんも安心しないかなという宏樹さんの心遣いだった。


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【SSS】shout of nobody

 昨日までの死んだ目は何処やら。それはもうイキイキとして、生気を取り戻した目が光り輝き、纏うオーラごと別人になった野坂の姿がある。
 今日は緑風旅行当日。ガイドさんと彼女の実家近くのコンビニで合流。そのままの流れで行き先を考えている。ガイドさん――菜月さんも生きていたようだし、野坂も生気を取り戻した。ひとまずよかった。

「圭斗、お前の目的を果たしたいならいい場所がある」
「どこだい?」
「ここからはちょっと遠いけど、エリア内の珍しいお酒を取り扱ってる酒屋が入ってるショッピングセンターがあるんだ」
「それは興味深いね。僕が調べてもその情報には行き当たらなかったし、さすが菜月さん」
「その道中にレオンの実家がある。カフェもやってるからお茶でもしないか」
「ん、それはいいね。そうしようか。それでいいかい、野坂」
「もちろんです!」


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