「醤油お待ち」
「あっ、スガノ君醤油来たよ」
「ああ」
目の前には、3人分のラーメンと餃子。それから、宇部の前には生中。今ラーメンを食べに来ているのは俺と洋平、それから宇部という変わった面々。どうしてこうなったのかはよくわからない。敢えて言うなら成り行きか。
カウンター席で、右から洋平、俺、宇部の順に並んで座っている。俺を挟んで右と左でポツポツと会話が成されている。洋平は塩ラーメンを啜りながら、とんこつの匂い強いね〜と宇部のそれに興味を示している。
目が覚めると何故か目の前には越谷さんがいて、まあ飲めとスポーツドリンクを差し出される。はて。俺はこの人を部屋に入れた覚えはないのだけど、まあいいか。いや、良くない。ステージの準備をしないと。熱中症で2日ロスしたんだ。のんびりしてる場合じゃない。
「まあ待て、朝霞」
「え?」
「俺がここにいるのは洋平からの伝言を寄越すためだ」
「山口の?」
「お前が目覚めたらこの手紙を渡してくれって頼まれてんだ」
そう言って越谷さんから二つ折りにした紙を受け取り、それを開く。