「リーツ! リィーツゥー!」
「あー、何だァうるせースわ」
「冴サンのお帰りだ! うい、もらったからこれでナンか作れ」
ドタバタと、急に冴が帰って来たと思ったら、その手にはジャガイモ。それも3コ5コとかいう次元じゃない。担いでいたリュックサックからこれでもかとジャガイモが出て来る。
ざっと数えただけでも30はありやスわ。まァ、ウチは山なンで星港と比べれば涼しいし、保存をするにしても少しくらいは長持ちするかもしんねースわ。でもこれはねーわ。
「W杯出場おめでとう! そしてありがとう! みんなも緊急召集に応えてくれてありがとう! じゃあ、祝勝会を始めます!」
今日は急遽IFサッカー部の活動が入ってきた。部長の伊東クンのテンションからわかるように、相当盛り上がってる。祝勝会と銘打たれてはいるけど俺たちがやるのはいつも通りの活動、フットサルだよね。
「伊東クン、その試合の日って夏合宿だったでしょ〜? オンタイムで見れた〜?」
「合宿は昼で解散じゃんか。それでソッコー帰って家のこと全部やってテレビの前に陣取ってた」
「彼女さんは〜?」
「俺と慧梨夏には趣味には相互不干渉っていうルールがあるからな。完全放置」