公式学年+2年
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「康平、弟はどうした」
「まあ、見ての通りで」
「果林も最近イケメン君に避けられてるってしょぼくれてるし、早いトコ解決しないかなと思ってんだけど」
課題に何となく目処をつけた後、4年生何人かと飯を食いに来た。と言うか半分は半ば強制的に拉致されてきた。千葉ちゃんはバイトだっつってたし、高木はそのままスタジオに籠もってくっつってたから来てないのが好都合。
岡山サン、小田サン、それから平田サンの間でも最近千葉ちゃんの様子がおかしいということは話題に上っていたらしい。普段は何ら変わりないけど、高木の話になると空元気になるという現象が見られるとか。
公式学年+2年
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「あー……何やってんだろ俺」
「まあ、完全に不審がられてるじゃん?」
「ですよねー」
昼も夜もないスタジオのさらに奥。分厚い鉄の防音扉の向こうの録音スタジオにこもる。その勢いで黒いベンチシートに寝転び、外と遮断された空間で始まる自己嫌悪。俺を見下ろす鵠さんも呆れ顔だ。
「お前、最近あからさまに千葉ちゃんのこと避けてるよな」
「だって」
「だってもへちまもあるか」
「だって」