「は〜、疲れた〜」
勢いよくベッドに飛び込んで。一瞬だけ休憩。朝霞クンはキャメルのダッフルコートをハンガーにかけながら、そんな俺を呆れたように見ている。ツインで取ったホテルの一室。1泊2日のお出かけは、1日目の行程が終了。
「そりゃお前、ここに来るだけでも結構な時間だし体力使うのにそこから買い物してイルミネーション見て飯食って酒飲んでってすりゃ疲れるだろ」
「別に嫌な疲れ方じゃないから全然いいんだけどね」
「まあな。温泉で久々に足延ばしてお湯に浸かれてよかった」
「一人暮らしだとね〜」
今日は久々にIFサッカー部の活動……ではあるものの、部長たちがそれぞれの用事で今日はいないらしい。まあ、カズと洋平がいなくたって体は動かせるし、いるメンバーで今年のフットサル収め。
「――ここはライブスタジオか何かか?」
「しょーがねーじゃんよスガー! この後CONTINUEの合わせだし。スタジオ……もとい星羅の家に機材まるっと置いとけるお前とは違うんだ!」
「エージのそれは」
「ギターっす。メンテ出してたんすよ。ちょっとしたことなんで自分でやりゃいーんすけど、そこの店員もレフティで、喋りたい時とかに持ってくっていう」