「あっ、朝霞。来てくれてありがとー」
「どうしたんだ突然」
「改めまして、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「今年もよろしくお願いします。それで、何なんだ頼みって」
大学近くのカフェで大石と待ち合わせ。律儀に新年の挨拶なんかも交わして、改めて本題へ。大石からは、バイト関係で頼みたいことがあるからと呼び出されていた。大石のバイトと言えば倉庫での肉体労働だったはずだけど、そこでどうして俺が出てくるのか。
もしかして、さすらいの派遣アルバイターである俺に大石と同じ仕事をしろということなのだろうか。体力のない俺に肉体労働なんて出来る気がしないけど、とりあえずは話を聞いてみないと始まらない。