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【SSS】俺たちのある箱の名は

 某日夕方6時、ソルから呼び出されたからUSDX関係で何か話でもすんのかなーと思ったら、まさかの音楽関係で。呼び出されて行った西海市内のカフェには、年末のシャッフルバンド音楽祭で一緒にブルースプリングの曲をやったドラムの奴がいた。

「ようチータ。急に呼び出してわりィな」
「ホントに。急だし西海だし、スガには話が行ってないみたいだし何事かと」
「今日はオンじゃなくてオフの話な。年末に顔くらいは見たかもしんねえけど、改めて紹介する。高崎悠哉、ドラムやってた俺の……何になるんだろうな」
「ヤンキー時代からの知り合いっつっても舎弟だとガチ過ぎるし、弟分くらいでいいんじゃないすか。リアルな後輩でもないっすし。それかスラップソウルのライブにちょこちょこ来てる知り合いか」
「まあ、何かそんな感じの間柄だ。そんでユーヤ、こっちがCONTINUEっつーインストバンドでキーボードやってる……チータお前、名字なんだっけ」
「カンノな」
「ああ、そうだ。菅野太一。俺とは音楽以外にも接点があるけどそれは今はどうでもよくて、今日ここに集まった本題だな」


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【SSS】インフルケアフルハートフル

「菅野太一、ふっかーつ!」
「わ〜、カンノ君よかったね〜」

 今日は伊東クンの部屋にIFサッカー部の有志が集まっている。目的は、まあ何かサッカー見ながらわいわいしようっていう、今日はやる方じゃなくて見る方がメインっていう感じ。伊東クン家のテレビって大きいし綺麗だしで、観戦には最高なんだよね。で、本日の主役はこの人。

「いや、マジでしんどかった。何なん!? マジでクソかよぶっ潰すぞって思ったよな。しんどくて起き上がれないし、何もする気力湧かないし。音が降ってきてもキーボードに触れない! しんどい!」
「でも、カンカンが元気になって良かったよ。ねえスガちゃん」
「バンドにしろ何にしろ、カンがいないと話が進まないからな」


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【SSS】オトナの音を奏でたい

「悠哉君! 悠哉くーん! おーい、悠哉君? ゆ、う、や、くーん」

 買い物から帰ってきたら、俺の部屋の前ではギターを背負った見覚えのある野郎がインターホンを連打していた。と言うか、年末と違って今は周りがみんな帰省しているワケでもないのにあまり騒がしくするなと強く思う。
 俺が特別気配を消すまでもなく、奴が騒がしいおかげで背後まで迫っていることには気付かれていないようだ。ちょうどいいところにある太腿に軽く蹴りを入れてやる。パシッとデニムが乾いた音を立てた。


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【SSS】何もしないでただ話そう

「あ〜……げほっげほっ」
「朝霞クン大丈夫?」
「つか、救援要請出しといて難だけど、うつるぞ」
「ホントに。救援要請出してきといて今更うつるって言われてもさ。それで? 親密度Cの顔見知り程度の奴に看病頼むって、朝霞クンいい度胸してるよね」
「まだ言ってたのかそれ。B+っつってなかったか、げほっげほっ。泊まりで旅行してるのに顔見知りはさすがにごほっ」
「とりあえず、ご飯はすぐ食べられるようにしておけばいい?」
「すみません、お願いします」


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【SSS】思いを可視化する

「……菜月、ありがとう」
「ううん、全然大丈夫。でも残念だったね」
「……それは、仕方ない」

 一度はその誘いを断っていたのだけれど、先約が流れてしまったことで慌てて菜月に連絡をした。菜月からは18日に会えないかという話があったのだけど、その日はリンと食事に行く約束をしていた。だけど、リンがインフルエンザに罹ってしまって。
 約束がなくなったから、じゃあやっぱり菜月に……というのも失礼な話だったかもしれない。それでも、菜月は快く私と会うことにしてくれて本当に嬉しい。ただ、少しだけ心配なことがあると言えばあって……。


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