はっきり言って珍しい誘いだとは思った。俺が闇雲に拉致ることはあっても、奴から俺に声をかけるということは今までにもあまりなかったことだ。その珍しさがすんなりと話に入らせたのかもしれない。
 高木からの連絡があったその日の夜には話を聞いてやろうと会うことになった。奴がどうしても自分の部屋ではダメな理由があると言ったこともあって、今日は俺の部屋で。

「よ、いしょっと」
「カバン、何入ってんだ」
「えっと、今日の本題なんですけど」
「おう」
「ビールと言うか、そんなような味の物をある程度飲めるようになりたいと思ったんです」