「この時期のセンターが繁忙期だというのはアンタが1番理解しているはずだが」
「細かいこたいーだろ、ナンならボランティアで臨時スタッフやってやってもいいぞ」
「わー、春山さんがいてくれるなら百人力ですよ林原さん!」
「川北、お前は黙ってろ」
「冴ー、コーヒー淹れてくれー」
「りょうかーいス」
「淹れんでいい」

 この繁忙期に、こないだ大学を卒業して現在はフリーターとなった人が何をしに来やがった。遺産のプレッツェルを引き取りに来たと言うのなら話は別だがそういうつもりでもないのだろう。
 今日は全学年の履修登録期間で、なおかつ明日は入学式。ただでさえバタバタする時期だというのは留学のために休学した年も含めて4度ここで春を迎えたこの人が知らんはずはない。