「朝霞、これはどういうことなの」
「……あのなあ宇部、俺に言われてもどうしようもないことっていうのはあるぞ」
「わかってるわ。でも、私も一応この件に関するあなたの責任について問い詰めなければならない立場だということを理解してもらえると嬉しいわ」

 真っ暗な部室、そこで行われているのは尋問とか説教とか、そんな類の話で決していい話題ではない。ただ、いつもと雰囲気が少し違うのは、宇部が呆れ返っているというところだろう。
 星ヶ丘の放送部は幹部の言うことが絶対。とは言え、その幹部ですら部長の意向に逆らうと首を切られるのは同じ。いくらくだらないと思っていても、やらなければならない仕事はある。