「トリックオアトリート〜! はい朝霞クンど〜ぞ〜」
「それ、お菓子もらう方が言うヤツだろ」
「細かいことは気にしないで〜。ハッピーハロウィーン」

 案の定、朝霞クンはブースに籠って作業をしていた。大学祭前で、大祭で何かをやる学生が授業に行く行かないは半々くらいになるけど、朝霞クンは余程のことがない限り出ないタイプだから。
 来る途中で買ってきたコンビニプリンとスプーンを置いて、目の前に迫った、でも実際当日にはやらないであろうハロウィンの言葉をかけた。