「浅浦ー、飯まだー?」
「うるさい。黙って待てないのか」

 例によって人の部屋に押し掛けてきては全身を預けるビーズクッションに身を投げ出してゴロゴロしているのは伊東だ。そもそもお前はいい加減ロフトから降りて来いと。
 普段は自分と彼女の部屋で家事三昧だけど、俺の部屋にいるときだけはぐうたら三昧になる。伊東は家事全般が趣味なのにこれはおかしくないか。俺が好きなのは料理だけなのに。