「えーと、水鈴は」
「ミーちゃんは事務所から呼ばれて出掛けちゃいましたッ! 要件はうちが言付かってますッ!」

 目の前には、話し方はそのままに水鈴を縮めたような女の子。借りてた物を返したいから取りに来いと呼び出されたまではよかった。だけど、俺を出迎えたのは水鈴ではなく妹の奈々ちゃん。
 妹の奈々ちゃんとは面識がない。ただ、初めて会ったような気がしないのは、水鈴がいつも楽しそうに家でのことを話していて、どんな子かは知っているからだ。