「うーっ、寒い」
「やァー、向島民はこれスから。だらしないスねェー」
「いや、めっちゃ重装備の律に言われる筋合いはねーよ」
「はァ? 野坂お前自分の家がここと比較するとどれだけ過酷な環境か知らねーから言えるンすわ」
「俺にはこーたみたいな自前の肉布団はないからなあ」
「はー!? 野坂さん嫌味ですかー!? はーやだやだこれだからイケメン詐欺は」

 やいやいと、2年生が寒い寒くないと盛り上がっている。確かにもうそろそろ年末だ。師も走るし年賀状がどうした、景気がどうしたなどと年も締めくくりに入るのだ。地元では冬の知らせが2年振りに出たとかナントカで芽依ちゃんからメールが来た。