「いいか佐久間君、俺ら底辺には底辺らしい足掻き方があってだなあ、それはもうなるようになれっつー、そーゆーことよ」
「ボク底辺やった覚えないんですけど」
「いーからここは底辺って言っとけ! 中途半端なことやってたらもらえるノートもプリントもなくなる!」
「しやかてボク底辺と違うんですよ」

 ははーと土下座せんばかりの勢いで、前原先輩がヒロを伴って磐田先輩に集っている。前原先輩が自らを“底辺”と言い切る潔さは非常にすっきりさっぱりしているのだけど、ヒロは何なんだ。
 向島大学でもテスト期間に入り、日頃の成果を試す時が来た。それはいい。俺は普段からやっているし、テスト期間になったからと言って特別慌ててもいないから。それがどうした。ヒロの奴は例によってぐだぐだだ。