「リンちゃ〜ん……」
「どうした、柄にもなく浮かない表情だが」
「ちょっとね〜」

 突如宮ちゃんから呼び出され、指定された場所に向かえば少々やつれた表情をしている。本当に柄にもないのだ。宮ちゃんと言えば、常に明朗快活なイメージが強い。
 紅茶でも飲んで落ち着けと、オレの方も柄になくこの場は出すことに。それだけ宮ちゃんの様子が異質だったのだ。普段のオレであれば、何がどう間違っても他人に何かを奢るなどということは考えられん。