目が覚めると何故か目の前には越谷さんがいて、まあ飲めとスポーツドリンクを差し出される。はて。俺はこの人を部屋に入れた覚えはないのだけど、まあいいか。いや、良くない。ステージの準備をしないと。熱中症で2日ロスしたんだ。のんびりしてる場合じゃない。

「まあ待て、朝霞」
「え?」
「俺がここにいるのは洋平からの伝言を寄越すためだ」
「山口の?」
「お前が目覚めたらこの手紙を渡してくれって頼まれてんだ」

 そう言って越谷さんから二つ折りにした紙を受け取り、それを開く。