「お、烏丸。いたならよかった」
「あっ、ユースケ。どうしたの?」
「オレが洋食屋でもバイトをしていることは言ったな。その店でロールパンをもらってきた。食っていいぞ」
「えっ、いいの!?」
「ああ。川北も食いたかったら食っていいぞ」
「わー、いただきまーす!」

 今日は非番のはずの林原さんが、突然ロールパンを持って事務所にやって来た。林原さんは情報センターと洋食屋のダブルワークをしていて、洋食屋の方では週に1回から2回、ディナータイムにピアノを弾いている。
 その洋食屋さんっていうのが知る人ぞ知る美味しいお店だということで、まかないが美味しいっていう話も聞いてたんだけど。こうしていざ目の前にそのお店のロールパンが出て来てみると、香りやツヤに食欲が刺激されますよね。