「では、改めて行くか」

 夜が明けてすぐ、私たちは西へ向けて走り出した。4時半に始まった今日という日を24時間過ごすことを目的に。まずは「そうだ、西京行こう」というノリで目的地を西京エリアに設定した。
 今日はリンの誕生日。リン本人はどう思っているかわからないけれど、少なくとも私にとってはいつもより少し特別な日。用意していた紅茶の茶葉は、いつでも渡せるようにしてある。

「しかし、勢いで西京へ行くことにしたのはいいが、西京で何をする」