「おーい千景、そっち品番何だった」
「MAJ71812のGPですー」
「うーい。ミヤ、検品票貼っといて」
「はーい」

 フォークリフトに乗って颯爽と現れたのは、俺がバイトしてる倉庫の社員、塩見拓真さん。今日は出荷作業はないけど荷下ろしの作業があって、俺はトラックから延々と荷物を下ろしてはパレットに積みを繰り返している。
 塩見さんは今26歳で、社員としては5年目。アルバイトから社員登用されて、とにかく仕事が出来る人。あまりに仕事が出来るから、早く仕事が終わった日には「2時間有給もらいまーす」って言って帰ることもあるくらい。