「おはようございまーす」
「おお、川北。やっと来たか」
「そう言えば林原さん今日A番でしたもんねー、お疲れさまですー」

 授業が終わって情報センターの事務所に入ると、受付席にいる林原さんが本当にほっとしたような表情で俺を迎えてくれた。林原さんは自他ともに認める「A番適性皆無」らしい。でも、バイトリーダー・春山さんの意向で月に2、3回はA番に突っ込まれているそうだ。
 カードキーの棚に目をやると、ちょこちょこ人がいるなーという印象。少し厚みのあるカードキーが、薄い学生証に置き換わっている。授業にも最近人が増えてきたなーと思ってたけど、情報センターの利用者も少しずつ増えてきているらしかった。前々からそんな風には聞いていたから、これがそうなんだって納得。