「さ、みんな来てるな」
「遅いよ朝霞サン、もうとーっくの昔にみんな来てるっつーの」
「悪い。それじゃあ早速始めるぞ」

 久し振りに足を踏み入れたブースに朝霞先輩がやって来て、いよいよこれからまた部での活動が本格的に始まるんだなという感じがする。丸の池ステージが終わってからはインターフェイスの夏合宿のことを中心にやっていたから、朝霞班の皆さんの顔がとても懐かしい。
 ここに呼び出されたのは、今日から3日間の日程で始まるラジオドラマの収録のため。インターフェイスでは作品出展って言って、各大学の活動を音声や映像にまとめた作品を提出して、その感想をもらうっていう活動がある。今月の担当である星ヶ丘からはラジオドラマを出すんだそうだ。
 星ヶ丘からの作品出展がステージの映像とかじゃなくてラジオドラマで出すっていうのも変な話だとは思う。だけどいざ朝霞班でステージをやってみて、自分たちのやっている映像を残すことの難しさを実感した。他の班の映像を借りられることもなく、他の班の人が朝霞班の映像を撮ってくれるワケでもなく。
 ――で、朝霞先輩が書いたラジオドラマの台本に沿ってこれから作品制作が始まるんだ。台本はあらかじめデータでもらってたけど、朝霞先輩から改めて紙で配られる。紙の台本が配られるこの感じ、やってることはラジオドラマでも「部活だな〜」って感じがする。