「宮ちゃん、計画の方はどうだ」
「水面下で準備を進めてるよ。高崎クンは?」
「つっても俺は何を準備するとか、そういうのはねえからな」
「それもそっか」

 甘いケーキをつつきながらするのは、悪い話。少し前に高崎クンから持ち掛けられていたとても楽しい計画に向けた進捗報告。この計画のことはまだ悟られちゃいけない。それとなく、自然にそういう風に持って行けるように段取りを踏まなきゃいけない。

「でも、ただ女装させるワケでもねえっつってただろ。何か攻略法でもあんのか」
「もちろん! うちを誰だと思って。コスプレイヤーの友達もいるから、その人のツテで女装レイヤーさんを当たって女装メイクや体作りなんかのポイントも教えてもらうよ」
「化粧するにもまた違うんだな」
「そう。女の人の女装メイクと男装メイク、それから男の人の男装メイクと女装メイクはいろいろ違って来るんだって」